
幸せの国フィンランド
最近読んで面白かった本のご紹介☆
「フィンランドくらしのレッスン」 週末北欧部 chika
夢をかなえてフィンランドに移住した作者のchikaさんが、感じたこと、体験したことをゆるーい可愛らしいイラストで漫画にしたエッセイ本です。
生活満足度No.1!フィンランド、幸せの国…とはよく聞きますが
具体的に何が、フィンランド人をそんなに幸せたらしめているのか
よくわかっていなかったのですが、これを読んで、理解できるようになった気がします。
また、ちょうどこの本を読んでいるタイミングで、私がよく聞いている
NHKラジオでフィンランド特集をやっていて、そこで紹介されていた内容とダブル部分もあり。
私の中で、一気にフィンランドに対する関心が増し、あこがれが強くなりました!
さらっと読めちゃうこの本ですが、フィンランド人の考え方や文化の理解が深まるとてもいい本でした☆
考え方の違いにびっくり!
この本を読んでまず驚いたのは、日本人は世界的に見ても、相づちが多いということ。
そして、それを不快に感じる外国人も多いとのこと。。
私もそうですが、日本人って”聞いてますよ!”っていうアピールのため、相づちって積極的に打つと思うのですが、
chikaさんが、フィンランド人の友人に、「相づちが多くて話がジャマされている気がして、気持ちに集中できない」と指摘される場面があるのです。
相手の話は最後まで静かに聞く。これが世界的にはマナーなのだそうです。
ビックリでしょ?
また、chikaさんがあるフィンランド人の友人に悩みを打ち明けたところ
彼女の反応は、「そうだったんだね。」のみ…。以上!笑
日本人の感覚だとつい、強く共感したり、一緒にグチを言い合ったりしそうなところですが。
聞いてあげて…終了。
すごくあっさりしたものだったそうです。
でも、後日メールで、「考えてみたけれどchikaは精一杯のことをしたと思うよ」とのメッセージが。
なんか、じーんわり温かくなるようなエピソードです。
別れた後も、自分の話をじっくり考えていてくれたんだ…と。
こういったエピソードからは、フィンランド人の他人との距離の取り方の上手さを感じます。
家族や友人であっても、相手の領域に踏み込みすぎない。
精神的な自立力の高さを感じるのです。
他人によりかかりすぎないっていうのも幸福になる1つのキーポイントなのかなと思います。
孤独には二種類ある
chikaさんが同僚に今週末はなにするの?と聞くと
「ソリチュードをする」との答えが。
「ソリチュード」とは”積極的な孤独”のこと。
”消極的な孤独”の「ロンリネス」とは違い、自ら1人を望み1人の時間を楽しむこと。
日本語では1つの言葉でしかない「孤独」に2つの種類があることに、考え方の違いを感じるのでした。
素敵ですよね☆
学び直しはいつからでも
フィンランドでは最初に、寿司職人として働いたchikaさん。
仕事に余裕があるときは、他部門のシェフとレシピや作業を教えあう文化に、最初は驚いたそうです。
(日本では聞いてもレシピを教えてもらえないことも多かったから)
その背景にあるのは、「とにかく属人的なことをなくすこと!」
それが誰が休みを取っても困らない、ヘルシーな組織にするコツだから。
実際、レストランのボスであっても2週間の休日を取り、それでも職場がきちんと回っていたそうです。
この考え方ってとっても良いですよね~!
人に頼る組織ではダメなんだ。誰が休みを取ってもフォローしあえる組織が健全だ。
ホントその通りだと思います。
そのほか、「ゼロコントラクト」(ゼロ時間契約)という固定時間なく、必要に応じて雇用される労働形態が選べたり、長年勤めた仕事を辞めて、全く違う分野の学び直しをする人も多いそうです。
フィンランドでは、教育でお金を取ってはいけない、という考え方のもと、学費はすべて無料!
いつからでも、何歳からでも、学び直して、新しい分野に挑戦することができるのです。
chikaさんも、失業した際にいった就職支援スタッフの方にこういわれたそうです。
「自分が一番したいことをしたとき、人の生産性は最大化する。あなたのしたいことは何ですか?」と。
なぁ~んて羨ましい制度なんだろう!
今、まさに脱サラして、自分の好きなことと向き合おうとしている私にとって、刺さる言葉でした。
「行動」と「人格」
これはフィンランドに限らず言われることですが
海外暮らしに大切なのは、「してほしいこと」を口に出すこと、
困ったときは「自分から」助けを求めること。
日本には”察する”文化がありますが、海外ではそれはゼロ。
言わなくては何も伝わらないし、助けてということは恥ずかしいことではないというのが世界基準のようです。
chikaさんの職場でも、ボスとシェフが日常的に、激しく意見をぶつけ合わせていたようです。
「そこまで言い合って関係性は大丈夫!?」と思ってしまいますが
でも、話が終われば「じゃあ今日も頑張ろう!」と関係性は元通り。
とてもヘルシーな関係性ですよね。
日本だとこうはいかないと思いませんか?
仕事で意見が対立すると、仕事を離れてもその人を苦手になったり
職場で意見が反対されると、自分の人格を否定されたように傷つく…。
日本の社会って「行動」と「人格」がごっちゃになって語られがちなんですよね。
ちょうど、こんな内容をすごく分かりやすく漫画にしてくれてる作品を最近読みました。
↓私の大好きな、田房栄子さんの「喫茶 行動と人格」

これ、めちゃくちゃ分かりやすく、この日本人の特性を言語化してくれています。
いっしょくたに語られやすい「行動」と「人格」を分けて考えると、人間関係の問題の理想的な解決策が見えてくる!
世の中のもやっとの原因も見えてくる!
実例をもとに、目からウロコ!の概念を分かりやすく漫画化してくれていて、とってもオススメです!
……
ちょっと脱線しましたが、
自分の思いを言葉にして伝えて、正しくSOSを出す。
自分の意見ははっきり伝えて、相手と人格ではなく、考えをぶつけ合う。
そんな素敵な見習うべき文化を、私もまず、自分の家庭から実践していきたいなと思うのです。
自分の”好き”にとことん向き合う
うわぁ~私とは全然「感性」が違うなぁ!と思った、この本で紹介されていたフィンランド人のエピソードを2つご紹介します。
まず、1つめは「渋滞が好き」という人のエピソード。
1人でいることが好きな彼にとって、車内はプライベートな空間。
でも、そんなプライベートな車が連なることで、すごく「belong(属する)」な感じがするから。とのこと。
1人だけど1人じゃない。他人と適度な距離をとりながら、同じ渋滞というものに属している。
この距離感がちょうどいい&心地いいとのこと…。
ま・じ・か…!
渋滞をそんな風に、他人との距離感で感じたことなかった… 衝撃‼ 笑
すごく、他人と自分っていうものを肌感覚で意識している人たちなんだなぁと実感したエピソードでした。
2つめは、欠けた食器をコレクションする同僚の話。
お気に入りの食器を割ってしまったことをきっかけに、欠けてしまった食器の魅力に気づき、それをコレクションするようになったそうです。
お皿のひびや欠けが個性的で愛おしいという彼女。その不完全さが好きなのだそう。
ま・ぢ・か…!
物の不完全さを「愛おしい」と思ったことなかった…。衝撃‼ 笑
すごいなぁ、人の不完全さのみならず、物の不完全さも愛することができるんだ!
そんな感覚なかったわぁと驚かされました。
こういうエピソードを通して感じるのは、フィンランド人って
自分の好きっていう感覚にとても敏感で、それをとても大事にしているんだなぁということ。
幸せってつまり、人生で「嬉しい」「楽しい」「大好き」と感じる時間が多いことでしょ?
自分の中のその感覚を研ぎ澄ませて、たくさんの場面でそれを感じられるようにトレーニングしている人たちなんだなぁ。
そりゃー幸せの達人だ!
この本を読んで、私は一気にフィンランドが大好きになり、行ってみたい
なんなら住んでみたい国になりました。
前から北欧は大好きで気になってたけど、その中でもフィンランドがくっきり浮かび上がってきたイメージ。
いつか絶対いくぞ~!