たちばなかおるさん
今回は、漫画家のたちばなかおるさんが描いたこちらのコミックエッセイをご紹介☆
ダウン症の長男を筆頭に、男の子ばっかり3兄弟を育てるたちばなさんが、
自身のダウン症児の子育てを紹介した本です。
私は、このたちばなかおるさんの作品が大好きで!
笑いのツボがドンピシャなんですよね~!あの飾らないシンプルな絵も好きです!
特に好きなのがこの作品↓
「そもそもウチには芝生がない」
生活環境の全然違う、女40代の同級生3人がそれぞれワケあって同居生活を始める話。
子育て、健康、仕事、パートナー…みんなそれぞれの悩みを抱えてるんだなぁ
どんな生き方をしても苦労は尽きない。でも楽しく暮らしていく!っていうのが
コメディタッチで描かれていてすっごく面白いのでおススメです♪
ユンタのゆっくり成長記
っと、話がそれましたが、そんなたちばなさんが、
同じく笑いポイント満載で自身の経験をまとめたのがこのコミックエッセイなのですが
長男がダウン症と診断されたときの正直な気持ちや
子育て中のまわりの反応、兄弟との関わりや兄弟への影響など
参考になる情報がたくさん盛り込まれています。
そうでなくても、年の近い男の子3人を育てるってだけで大変なのに
長男はダウン症で、合併症であるウエスト症の治療で病院通い。
てんやわんやの日々だけど、必死に楽しく暮らしているたちばな家の様子が垣間見れてすごく面白いです。
そんなたくましくて明るいたちばなさんでも、やはりダウン症と告知されたときは
「もう一生心の底から笑うことはないだろうと絶望した」と書いてありました。
客観的に見れば、そんなわけない!と思いますが、やはり当事者にはそれだけのインパクトがあるんだなーと実感がわきます。
そんな絶望の中、様々な文献を読んだたちばなさん。
でも、当時一番知りたかったことは、どこにも書いてなかったそうです。
それは、「未来の自分が笑っているかどうか」
…大丈夫!ちゃんと笑っているから安心して!と過去の自分に言ってあげたいそうです。
たちばなさんちの長男坊
「ユンタのゆっくり成長記」のつづきになるのが、こちらの
「たちばなさんちの長男坊」です。
長男のユンタ君が小学校に入学するまでのストーリーが描かれています。
言葉の発達のすすみ、就学判定の面接、小学校生活、学童デビューなど
こちらも情報盛りだくさんで、読んでいてとても面白いです。
中でも興味深かったのが、初めての健常児として生まれてきた次男くん。
全然手がかからず育つであろうと期待したたちばなさんでしたが…
これが大間違い!泣く!叫ぶ!起こる!癇癪!激しい好き嫌い!何もかもイヤイヤ!
も~それはそれは大変だったようで、健常児だからラクってことはないと思い知らされたそうです。
振り返ってみると、彼なりに、お兄ちゃんが普通とはちょっと違うっていうことへの
言葉にできない不安や、不満を抱えていて、それが影響していたようだったとのこと。
子どもって(大人もだけど)自分の中の感情が上手く整理できずに、どうしていいか分からないってなってるときに、癇癪とかに表れるんですよね。
兄弟へのサポートの必要性にも気づかされるエピソードでした。
そして、結局、障がい児だろうが健常児だろうが、子育ってって大変!
よく「ダウン症児は穏やかで天使みたい」っていうの聞きますが、実際は、やはり
天使の時もあれば、悪魔の時もある。みんな同じ人間だもの(みつを)
どんな子どもを産んでも一緒。苦労や心配はつきものなんだなーと気付かされます。
兄弟といえど他人
できる限りの福祉サービスをすべて使い、登録もしているというたちばなさん。
その狙いは、いざという時に助けてもらうというほかに、
「ユンタの顔と名前を売っておきたい」というものがあります。
親亡き後、ユンタ君の家族になるのはグループホームの職員さん。
グループホームに入所するときに、あのユンタ君がこんなに大きくなって~と自然に受け入れてもらえることを期待しての行動です。
これって普通に見えて、けっこう大変&勇気のいる行動だと思うんですよね。
子どもの障がいは認めたくない、隠したくないって思う親も多いからです。
でも、認めないと何の対策も始められない。
たちばなさんは、しっかり受け入れ、かつ!兄弟に負担をかけない最良の方法へ向けての準備を早々に進めています。
その潔い姿勢は本当に尊敬!
子どもに障がいがあると、親である自分たちがいなくなった後は、兄弟に面倒を期待する親って多いと思いますが(特に日本は)
兄弟だって他人。もちろんそれぞれの人生があります。
だから、それぞれの自立を助けるのが親の役目だと思うのですよね。
だから、「親以外の大人にも心を開ける社交性を育てておいてあげたい」とするたちばなさんの姿勢に激しく共感&尊敬!
私も見習いたいなーと思うのでした☆
まとめ
いかがだったでしょうか?
ダウン症児に関わっている人も、そうでない人も、育児をしている人も、していない人も
手軽に読めて、知識が広がる良書だと思います。
ぜひ、読んでみてください♪
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