この本は、内田春菊の「私たちは繁殖している」(漫画)を読んで知って
読んだのですが、すごく面白かった!
脳研究者でお医者様の池谷裕二さんが、研究者の視点から、そしてパパの視点から
娘さんが4歳になるまでの成長過程を記録したものです。
人間の子どもの脳では、びっくりするようなことが起こっているんだ!
そして、それがこういう行動に表れるんだ!ということが分かりやすく書いてあります。
脳の専門家、そしてお医者さんなので、もちろんプロの視点なのですが
でも、子どものちょっとしたことで不安を覚えてしまう
普通のパパの一面が共存してるのが、面白くて共感できます。
ちょうど、息子が4歳になり、下の子が生まれたタイミングだったので
今までの振り返り(あーそういえば、そんなときあったわぁ)と、
これからの道しるべ(この行動には、こういう脳の成長が関係してるのね)が
同時にできて良かった☆頭のいい人が書いたものは、読みやすいです。笑
覚書きがてら、私が驚いた内容をいくつかご紹介します☆
■人間は3歳になるまでに、脳細胞の7割(!?)を捨てます
→生まれ落ちた環境に合わせて、不要な神経回路をどんどん捨てていくんだそうです。
それにしても7割って!衝撃!人類の生命力の神秘を感じます。。
外国語にしかない音が聞き取れなかったり、発音できなくなるのは、このためなんですね。
でも、残りの3割が、年とともにどんどん減ってしまうかというとそうではなく、
年をとっても、ほぼ変わらないそうです。これは、けっこう希望が持てる情報 笑
何かを始めるのに、遅すぎるってことはなさそうです。脳科学的には。
■赤ちゃんは、口の中だけでなく、口の周りでも味を感じられる。
→これもビックリしました。
おっぱいを探し当てるために、生まれてしばらくは、口の周りでも味を感じることができるそうです。確かに、目はほとんど見えていないので、必要な力ですね。
大人には考えられない能力ですが。。大人になっても、この能力があれば、口の周りにチョコ当ててるだけでおいしーと満足できて、ダイエットに効果的だったかも!笑
■コミュニケーションがないと人間は死ぬ
→ある王様の研究や、戦争孤児を集めた孤児院で、必要最低限のお世話はするけど
話しかけることはしないで育てられた子どもたちは、2歳までに、ほとんどの子が死んでしまったそうです。(死因は書いてありませんでしたが)
生き延びた人たちも、その多くが大人になって、精神疾患を訴えたそう。
人類にとって、他人とのコミュニケーションは、食べ物と同じくらい重要なものになっているようです。
赤ちゃんには、いっぱい話しかけてあげようと思いました。
■脳はいい加減
2歳くらいになってくると、イラストに描かれたリンゴが、「リンゴ」だと認識できます。
これは人間特有のもの。デフォルメされたイラストは、実物のものとは全く違いますが
ヒトの脳はそれをざっくりとらえて、同じ「リンゴ」というカテゴリーに分類できるのです。
この、ざっくり捉えるという能力こそが人間を進化させてきました。
例えば鳥は、空から見た地上の景色を、写真を撮ったかのように正確に記憶することができるそうです。でも、季節が変わり、風景が変わると、同じ場所を、同じ場所と認識できません。
記憶が正確すぎるからこそ、その違いを受け入れられないのです。
いい加減に記憶する、ざっくり覚えるという能力が、人間を特別なものにしてきました。
このあたりは、今読んでいる「サピエンス全史」とも、通ずるものがあるなぁと思うので
また、次回、紹介させていただきますね♪
以上、いかがだったでしょうか?
身近にお子さんがいる方は、とても楽しく読めると思います。
例えば、「いないいないばぁ」は、ある年齢から楽しみ方が変わります。
生まれたばかりの赤ちゃんにとって、見えているもの以外存在しないので、突然現れた誰かの顔に驚いて笑います。
でも、次第に、顔が隠されているということを理解して、手の後ろにある、顔の出現を予想したうえで、笑うようになります。
こーんな知識が身に付くのも楽しいです♪ぜひ!
コメント
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